ヤングセミナー
【レポート】人間塾平成30年度第7回修了式
2019年3月15日
人間塾 第4期生 梅山翔平
(筑波大学6年)
寒さも和らぎ、日増しに暖かくなった3月10日、人間塾の第七回修了式が挙行されました。今回の修了式は会場を麹町の都市センターホテルに改め、役員の皆様を始め、例年以上に多くの方々にお越し頂きました。
プログラムは、まず、人間塾設立者井上和子様の式辞から始まりました。その中で「誠実に生きること。上手くいくとは限らないが、たとえ上手くいかなかったとしても信頼を生む」という趣旨のお話でした。続く仲野塾長のご挨拶では「人生とは旅である。歩んでいくのは本人であり、私達には祈ることしか出来ない」とのお言葉がありました。お二人の言葉は修了する私達への力強い激励です。私達修了生は、4月から社会に出ていきます。そこには経験したことのない困難が待ち受けていることでしょう。上手くいかないことも多いかもしれません。しかし、私達は、自らの足で誠実に一歩ずつ歩んでいくしかないのです。
修了式では、修了証書の代わりに、仲野塾長より「書」が送られます。修了生である私が頂いた文字は、「黙慮」でした。私は4年間人間塾に在籍しましたが、この言葉が意味するところは、私自身が抱え続けた課題でした。私は黙して人の話を聞くことが苦手です。それは私自身が楽しい雰囲気を好むゆえに、すぐに賑やかに喋ってしまうのです。つまり、相手の願いを知る前に、自分がして欲しいように相手にしようとするお節介さと、他者を慮ることの出来ない自己中心的な面が、私にはあるのです。この点は、私の人間塾の日々の最後まで、塾長に指摘され続けました。しかし、残念ながら、完全に改めることは出来ませんでした。
私は4月から医師として働きます。私の目指す医師は「患者に寄り添い、患者を支える医師」です。つまり今のまま、一緒に居て楽しいだけの医師になってはならないと思います。そのためには、今の自分自身を黙して見つめ、自らの足らぬところを知り、変えていく努力を続けなければなりません。私には、熟慮せず、「すぐに出来るようになった」と、先走りする拙速な一面があります。そんな私を、この「黙慮」の書は生涯戒め続けてくれるでしょう。人間塾を修了したからといって、学び終わったということでは全く無いのです。人間塾は私にとって、道標であり、今後の人生のコンパスです。
修了式では多くのご支援くださる方々と出会い、激励を受けます。また、自らの決意を述べ、互いの幸せを祈り、そして旅立ちを迎えます。それは正に人間塾で年間を通じて重ねた学びを凝集した時間です。人間塾で私達は愛された存在である事を自覚し、ありのままの自分に向き合い、使命を見極め、与えられた物を多くの人と分かち合う覚悟を決めます。これを今ここで学び、これからも実践することは、私には必要不可欠なのです、なぜならば、人間塾に出会う前までは、私は成績などの目先の名誉ばかりを追い求める人生を送っていたからです。井上和子様、仲野塾長、壺井事務局長、その他大勢の人間塾に関わってくださっている方々には感謝してもしきれません。ここで学んだことを誇りに感じ、胸を張って、世のため人のためにこれからも生きていくことをここに誓います。