ヤングセミナー
【レポート】人間塾2018年度まとめ合宿二日目
2019年3月10日
人間塾 第5期生 佐藤仰
(ルーテル学院大学4年)
静かな春雨の中、まとめ合宿二日目(3月3日)を迎えました。この日も塾長の貴重なお話を手引きに、塾生たちは各々が向き合った課題と、今後の決意について分かち合いました。
午前のセッションでは曽根綾子さんの「仮の宿」の一節を手引きに、人間の有限性についてお話しくださいました。人の行うことのすべてはすでにこの世に記憶されており、人はその範疇を超えた出来事を行うほど無限なものではないと教えられました。また人を「幅」という概念で考えた際、各々に振れ幅はあってもそれはすべてある一定の範囲に収まるものである、ということでした。人の違いはさまざまであるが、その差は驚くほどかけ離れたものではないと塾長は話されました。私たちは時折、他者と比較し、自らに劣等感を覚えることがあります。しかし、同じく有限な存在である者同士の比較には、それほど重要な意味はないと塾長は諭されました。
人は有限な存在ですが、時に無限を目指そうと試みます。しかし、それが果たして良いことなのかは疑問です。有限であるからこそ良いのだと思いました。限りがあるから努力できるのです。限りがあるから大切にしようとします。限りがあるから美しいのだと思います。自らの有限性を認識し、与えられた幅の中でどれだけ自分の可能性を伸ばすことができるのか。それが私たちに求められているように思います。
昼食後、それぞれがこの一年間の人間塾での学びや、今後の決意について分かち合いました。私は人間塾では常に、自分自身への甘えという課題に向き合ってきました。しかし、その課題を乗り越えるヒントは、結局私自身で気づくことはできず、塾長に指摘していただくことで気づきを得ることができました。今回の合宿で私が決意したことは、これから生きる中で自身への甘えを捨て、私が乗り越えるべき課題から逃げずに向き合うということです。自分の言葉には責任を持たなければなりません。私にとって大切なのは今後決意したことを行動に移していくことです。それができて初めて決意が意味あるものとなります。
今まで私は3回、まとめ合宿に参加してきました。この合宿は一つの区切りであり、新しいスタートを切るための大切な準備であると思います。この合宿で塾生たちは、自らの課題を再認識し、新しい一歩を踏み出します。私は今年度をもって人間塾を修了する予定ですが、社会に出てからが本当の試練が始まります。確固たる信念を胸に、人間塾の塾生として世のため人のために役立つ人間を目指し、努力しようと決意しました。