ヤングセミナー
【レポート】人間塾2018年度軽井沢合宿二日目
2018年9月28日
人間塾 第7期生 西川泉希
(国際基督教大学2年)
軽井沢合宿1日目と打って変わり、さわやかに晴れ渡った2日目の9月16日は周辺の散策からスタートしました。旧軽井沢や万平ホテルなどを訪れ、豊かな自然の中を自転車で走り抜けた私たちは、大いにリフレッシュすることが出来ました。そして、自分自身と深く向き合うために、「分かち合い」に向けて徐々に高ぶる気持ちと共に、2日目午後からのセッションに臨みました。
この日はセッションが午後から2回、そして夕食を挟んで1回、合計3回行われました。塾長は毎回違った問いかけやテーマを、時にはジョークを交えつつ、私たち塾生に投げかけてくださいます。じっと考え込むこともあれば、時には激しく心が揺さぶられることもあります。そのセッション中に取り上げられた話題を2つ紹介したいと思います。
はじめのセッションで、塾長は「他人と比較することの無意味さ」を教えてくださいました。私たちは日ごろ、ふとした時に自分と他者とを比べてしまいます。特に、相手よりも自分の方が劣っていると思うとき、その差はまるで天と地のように感じることがあります。実際の差はごく小さなものですが、なぜか途方もなく大きな差だと錯覚します。しかし、人は一面で構成されるものではなく、数えきれないほど多くの要素が合わさってできた多面体です。にもかかわらず、自分たちの見える一面だけを切り取り優劣を争うことは、あまりにも無意味ではないかと、私たちに問われました。私はこのお話を聞いて、ふわりと心が軽くなりました。私は、「自分は自分だ」といくら考えていても、他者の華やかな功績に目を奪われがちでした。しかし、その一面のみで相手と自分を評価することそのものが必要ではないと、大切なことに気が付きました。
この日最後に話し合われたテーマは、親と子どもの関わり合いでした。人は生まれながらに何かの才能の種や原石を持って生まれるのか、生まれた環境によって開花する才能が左右されるのかという疑問に対して、塾生たちの活発な意見交換が行われました。そして、塾長は「人間が純粋に育つためにはどうすればよいのか」と問いかけられました。純粋に育つ、というのはその人の本来ある才能を育てることだと考え、親は自分の子どもに自分の願いを託さず、また子ども自身も自分が本当にやりたい事、やるべき事は何かを考えるべきだ、という結論に至りました。一番近くで自分のことを支えてくれている肉親について、改めて深く考えることが出来ました。
すべてのセッションが終わった後も、私たち塾生は自分自身を見つめ続けていました。入浴中や就寝前にも、湧き上がってくる思いを時にはぶつけあい、時には受け止めあいながら自分の中の課題と向き合っていました。最終日の「分かち合い」を前に、非常に有意義な2日目となりました。