ヤングセミナー
【レポート】人間塾2017年度第19回ヤングセミナー
2018年2月27日
人間塾 第5期生 山崎将志
(東京工業大学大学院)
平成30年2月22日、みぞれ混じりの雨の中、塾生たちは人間塾に集いました。大きな行事は残すところまとめ合宿と修了式のみとなり、今年度のセミナーも今回を含めて2回となり、いよいよ佳境に入りました。
一年が経つのは早いものだと感じながらも、皆、まとめ合宿に向けて気持ち引き締めてセミナーに臨んでいました。
本日のセミナーでは、2つの表現の違いを通じ、同じ内容を伝えていても相手には気持ちの伝わり方が違うことと、人間塾々生としてはどちらであるべきかということを学びました。
例えば、患者が重い病気に罹った時に、成功確率が五分五分である最先端の治療法を主治医が提案する仕方にも、以下の2通りの表現があります。
①最先端の治療を施し必ず最善は尽くします。しかし、1年後の生存率は五分五分かもしれません。
②生存率は五分五分かもしれないけれども、この1年間どんなことをしても、あなたを治すことに全力を注ぎます。一緒に頑張りましょう。
患者にとってどちらの伝え方が、「この主治医と共に挑んでみよう」と思えるでしょうか。言うまでもなく、後者です。前者からは正確な情報かもしれませんが、自己保身がにおってきます。後者からは、結果はどうなるかわからないが、とにかく精一杯やってみようとする誠意が読み取れます。言葉の表現というのは気持ちの発露ですので、この違いがどこから来るのかと考えた際に話者の気持ちに違いがあるのだと思いました。言うまでもなく、人間塾々生として日頃から教えられているのは後者の姿勢です。
これを自分に立ち返って考えてみた時に、果たして私は後者の生き方をしていただろうか、前者のスタンスになっている時があるのではないか、防御策を張ってはいないかということを考えました。
すると、知らず知らずのうちに前者のスタンスに陥っていることに心当たりがありました。例えば、人から何かを頼まれた時の話です。私は、自分の忙しい状況や内容の困難さに先に目が行き、引き受けることを躊躇することがあると気が付きました。「私を頼ってくれたのだからまず引き受けるつもりで話を聞いてみよう」という気持ちよりも、「私が引き受けて上手くいかなかったら申し訳ない。大事な要件であれば他の方に頼んだ方が、この人のためではないか」という気持ちが先行していたのです。
この考え方は、相手のことを思っているからこそだと考えていましたが、相手の目線に立った時、自分が勘違いをしていることに今回のセミナーで気が付きました。
これからは、自分の状況や内容の困難さをまず考えるのではなく、相手の立場に立ったうえで、「何よりもまず受け止めてみる、そして快諾できる自分でいる」ということに挑戦してみようと考えています。