ヤングセミナー
【レポート】人間塾2017年度第10回ヤングセミナー
2017年10月13日
人間塾 第5期生 山崎将志
(東京工業大学大学院修士1年)
夏の暑さがおさまり、秋の肌寒さを感じる9月28日に第10回のセミナーが行われました。私は昨年、人間塾を修了し、現在は東京工業大学大学院に通いながら、ヤングセミナーの一員として参加を続けています。この日は、現在は社会人として活躍している修了生2名も、セミナーに駆けつけてくれました。
この日のセミナーのテーマは「知識と知恵」についてでした。知識は聞いたり読んだりして身に付けられること、知恵は知識と違って生きた経験によってしか身に付けることができないことを学びました。塾長は、具体的な話と共に説明して下さり、その中でも我々若い世代は「知恵」をもっと身に付けていかなければならないことを強調されていました。
私は学部時代フェンシング部に所属していたのですが、大学から始めたために、最初は全くの素人でした。フェンシングは経験者が少なく、努力が結果に大きく反映されると、私は当初考えていました。そして、インターネットや書籍などを駆使し知識を蓄えることで、同年代のフェンサーから抜きん出ようとしました。しかし、私と同じように大学からフェンシングを始めたある東大生にあっさりと負けてしまったのです。彼よりも多くを学んでいると思いこんでいた私は、何度やっても勝てないことを不思議に思いました。負けず嫌いであった私は、彼にアドバイスを求めました。彼は、「君が試合でやろうとしていることは正しい。しかし、その動きは洗練されていない。私は、多くの大学に赴いて多種多様な人と試合をすることで、生きた経験を君よりも多く積んでいる」と言うのです。
この時の私は、まさに「頭でっかち」で「知識」のみに偏っていました。この日から、実践や多くの経験が大切なのだと思い直し、知識偏重にならないように努めました。知識と知恵のバランスを取る度力を重ねていくことで、私は少しずつ上達し、先輩たちにも自分のフェンシングが通用するようになってきました。「知識」を重視してしまう傾向があった自分を自覚することができたのは。私にとってとても良い経験であったと思います。
セミナーを通し自分の経験を振り返ってみると、たくさんの「知識」には囲まれていますが、そんな環境であるからこそ、それらをうまく活用し、「知恵」をより一層大切にしていかなければいけないと感じました。