ヤングセミナー
【レポート】人間塾2017年度第7回ヤングセミナー
2017年7月24日
人間塾 第6期生 神薗峻也
(多摩美術大学3年)
7月13日木曜日、第七回ヤングセミナーは「あなたが誰かと再び会ったとき、その人にその前にあったときのことを、ちゃんと思い出していますか?」という問いから始まりました。
この問いに対し、自分の日常に思いをはせてみると、身の回りの人間関係をおろそかにしている自分がそこにいました。学部の三年生になってから、大学や日常でのコミュニティが一気に広がりました。忙しく変わっていく日々に、目の前のことに取り組むことで精一杯になっていました。
以前その人と会ったときの話題が言葉を弾ませる。それとともに人情が生まれ、感謝の思いが伝播する、と塾長はおっしゃっていました。確かに、人間関係が豊かになることは、日々に幸せが生まれる第一歩なのだと思いました。
今回のセミナーの主題は「面倒くさいことをあえてやる」ということについてでした。
私たちは日々人間塾で、人に感謝の気持ちを伝えることや、思いやりの気持ちを持ち、分かち合うことについて学んでいます。しかしそれを継続的に実行するということは、面倒くさく手間がかかることだ、ということでした。私たちが普段受けている愛情や思いやり、期待は「面倒くささ」を超えた先に与えられているものであり、その恵みに感謝しなければなりません。その面倒を惜しまず、継続できる人の周りには、幸せが伝播していくのだろうと考えました。
私はその話を受け、あることを痛感しました。私は、日常の中の気づきや違和感をテーマに制作することがほとんどです。世界はどこか元気がなく、この世界にもっと幸せを溢れさせたいという思いを胸に、制作に向き合っています。しかし、世界という大きなことを思い描いている反面、日々の生活に目が向いていませんでした。身の回りで受けてきた愛や恩恵を身近なところから分かち合う、そしていつかはそれをお返しすることに意識が向かっていないことに気が付きました。視野を広げていたようで、一番近いところが見えておらず、その努力も怠っていました。身近なところから幸せを伝播させることが出来ない人間が、世界を相手にすることはできません。制作だけでなく、日々感謝の気持ちを実行することが、心の豊かな人になるために必要なことだと胸に刻んだ講義でした。