ヤングセミナー

【レポート】2017年度 第5回人間塾シンポジウム

2017年11月18日

人間塾 第4期生 遠藤若奈
(東京農業大学4年)

去る11月12日に、第5回人間塾シンポジウムが開催されました。今年は私たちの本拠地である人間塾を会場にして、25名の参加者をお迎えし、「人生で大切なもの」をテーマに議論を行いました。

「シンポジウム=討論会」を意味するように、自分の考えを周りに発信し、そして周りの意見からも刺激を受けるまたとないチャンスです。そしてその結果、シンポジウム全体での話や、自分の考えを深めていく良い機会です。今回のシンポジウムでは、塾生も参加者の皆さんも一緒になって議論をすることで、何か心の奥底に抱えている思いや、不安、価値観などを共鳴させる場にすることを目標にしました。そして、半年以上の間、私はこのシンポジウムの企画・運営に携わりました。

シンポジウムは生き物です。よって、参加者が自分の思いを素直に打ち明け、考えを深めるためには、あらかじめの台本を作ることは許されません。当日は、アドリブでスムーズに議論を進め、出た意見をまとめて共有できるようにする必要がありました。そのため、どの塾生もさまざまな題材を使って議論と発表の練習を重ね、本番どのようなやり取りが繰り広げられるかを楽しみに、このシンポジウムに臨みました。

2017年度 第5回人間塾シンポジウム:白熱する議論

白熱する議論

2017年度 第5回人間塾シンポジウム:班の意見を発表

班の意見を発表

いよいよ迎えた当日、「人生において大切なものは何?」という簡単には答えの出ない問題に、参加者全員が真剣に向き合いました。グループ議論では、人生で大切なものの答えとして、人との出会い、食事、一人の時間、学歴、目的、感受性、努力、希望、夢など多岐にわたる意見が出ました。そして議論が深まる中で、大切なものの中には、自分の内側から出てくるものと外側から影響を受けるものがあるのではないか、という意見が交わされました。また、他者との関わりの中で生まれてくるものと、自分の中で自らが見出しているもの、生きる上でのツールとして必要なものなど様ざまな意見が出現し、議論は白熱しました。

途中、これらの意見を受けて、仲野塾長が大きく3つのお話をしてくださいました。1つ目は「人間には中も外もない。外から受けたものを自分の中に取り込み、また自分の内側に持っているものを常に外がわに漂わせている」というお話。2つ目は「学歴や地位などは所詮帽子の羽でしかない、つまり、私という人間を飾るアクセサリーであり、私そのものではない。あなた自身が魅力的であれば、周囲はアクセサリーではなくあなた自身を見るようになる」。3つ目は「若者の特権は自由であることなのに、案外自由という言葉が出てこなかった。あなたの人生の主人はあなた自身なのだから、人に操縦させてはいけない」というお話でした。
議論の展開は誰も予想することができないため、仲野塾長ももちろんアドリブでお話ししてくださいました。誰にとっても挑戦的な企画だからこそ、テーマに真剣に向き合う雰囲気が流れていたように感じます。

参加者の視点によって、刺激を受けた部分、強く共感した部分はそれぞれ異なっていましたが、塾長のお話を受け、次は「自由」をテーマにもう一度議論を重ねました。時間が経つにつれて、参加者の皆さんと塾生が一体となっていき、会が終わるころには仲間が増えたような気持ちになりました。

2017年度 第5回人間塾シンポジウム:真剣な雰囲気

真剣な雰囲気

最後に仲野塾長は「ここにいる一人ひとりが、あなたにしかできない使命を持っています。そして、社会をより良くしていこうという意志を持って生きようとしていると信じたい。君たちに期待しています」という言葉を、私たちにくださいました。私だけでなく、多くの参加者の方が背中を押されたことと思います。

シンポジウムの準備を始めたころは、本番を迎える日を途方もなく遠いことのように感じており、挑戦と模索の日々でした。しかし、一つひとつ課題にぶつかる度に成長の機会を与えられたと感じています。今ではシンポジウムのリーダーを任せていただいたことに、感謝の気持ちでいっぱいです。ご来場くださったみなさまにも何か心に残るものがあったのであれば幸いに思います。ありがとうございました。




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