ヤングセミナー
【レポート】人間塾2017年度小豆島・遍路研修(第二日目)
2017年5月8日
人間塾 第6期生 皆川舞
(上智大学2年)
5月4日、強い風に背中を押されるようにして、お遍路は本番を迎えました。
私にとって、初めての四国、初めての小豆島ということもあり、1日目は壮麗な自然に圧倒されてばかりでしたが、2日目は慣れもあって、様々なことに想いを馳せる余裕を持つことができました。朝からとてもおいしい朝食をいただいて力を蓄え、山道や岩登りの厳しさも、あまり気になることはありませんでした。
その道中で、先達の森下さんとお話しさせていただく機会があり、お遍路をしていて特に印象に残っている出来事を通して与えられた気づきや、仏教と他宗教の共通点などについて考えを深めることができました。他にも、森下さんは「全てを理屈で解決しようとするのではなく、素直に信じることもまた大切である」ということ、「満たされていない時こそ成長するチャンスである」ということをお話ししてくださり、またそれらを、お遍路の歩みを通して、私自身、実感することができました。そうしてたくさんのことを思い巡らしながらお大師様の足跡を辿っていく2日目は、6度ものお接待をいただき、そのありがたさが、疲れた身体に沁みわたる一日でした。
2日目最後のお寺となる霊場第81番霊場札所恵門の瀧では、ご住職に護摩焚きをしていただくという非常に貴重な経験ができ、とても心躍る思いでした。厳かな雰囲気の中、炎が次第に強くなっていき龍の如く昇っていく様は神秘的で、炎に何らかの力が宿っていると考えても不思議ではないように思えました。
賑やかな夕食の後には、塾長がいくつか私たちのためにお話をしてくださいました。小豆島の歴史を教えてくださったり、かの有名な高山右近に影響を受けた大名の小西行長を挙げ、小豆島が仏教だけでなく他宗教との交流も深いこと、そしてそれがうまく共生しているというお話もしてくださり、非常に興味深いものでした。また特に印象的だったのは、「なぜお接待をしてくださるのか」という問いかけに始まるお話でした。それはただ単に私たちに「頑張ってね」という思いを伝えるためだけのものではなく、お遍路をしたくても、日々の忙しさや諸々の事情によりそれが叶わないという方々が、その切なる思いを私たちに託してくださっていることの表れなのだと学び、お遍路における「同行二人」の意味の深さに気づかされました。私たちはそういった方々の思いを胸に、お大師様とだけでなく、その方々とも共に歩くんだと心の底から感じ、明日の歩みへの意気込みが高まるばかりです。大切な人、お接待をしてくださった人、他者のことを想いながら歩く道のりは、一人で物思いに耽りながらの道のりよりも、もっと豊かであるに違いないと、深く考えさせられます。