ヤングセミナー
【レポート】人間塾2016年度第12回ヤングセミナー
2016年11月8日
人間塾 第3期生 加藤有香
(東京医科大学4年)
徐々に寒さが増し、少し厚手のものを羽織る季節となってきました。私は、気温が低くなると体を縮ませて身体の体温を外に出すまいと必死になります。そうすると思わず足取りが重くなるのですが、今日人間塾へ向かう足は軽かったです。人間塾という環境の温かさを求めていたのかもしれません。
セミナーの号令がかかり、席に着いたとき。塾長の第一声は、「あなたにとっての『くびき』とは何ですか」でした。くびきとは、荷台を馬で引く時に馬の頸の後ろにかける横木のことです。本当は駆け巡りたい馬にくびきをつけるということは、その馬の自由を奪っていることとなります。塾長は、くびきの説明をした後にもう一度同じ問いかけを塾生にしました。自分自身にとって、自由を奪っているものは何か。その荷物を降ろすと楽に感じるものは何かという問いです。私にとってこの問いは少し苦しい問いでした。なぜならば、私は今まで降ろしたくなるものを背負い続けて歩くことが正解だと思っていたからです。無意識にそれを荷物だと感じないようにしていたのだと思います。そう思いを巡らせる中で引っかかった私が背負っているものは、「プライド」でした。
大学の課題に取り組んでいるときもありますが、より良いものを追い求めるあまり、自分の首を絞めてしまうこともあります。やってもやっても終わりがなく、できない自分にしか出会わない気がしてしまうのです。「ここまででいいや!」という思いに私はなかなかなれません。その行為を逃げとさえ感じてしまうことがあるほど負けず嫌いなのです。塾長は、「プライドを持つことはいいことだけど、持ちすぎてしまうのも苦しいね」と言葉をくださいました。否定されたわけではなく、苦しいことも含めて受け止めてくださったことが私の心に余裕を与えてくれました。他の塾生も各々感じる「くびき」を理由と共に共有しました。
最後に塾長は、人間は誰でもある一定の承認欲求があるとおっしゃいました。その承認欲求を周りの評価で満たそうとすると、思わず周りからの視線を気にしてしまいます。しかし、周りの人は自分が思うほど、自分のことなんてそれほど見ていないのも事実だとも言われました。よって、恐れず自分の「ありのまま」を出し、自分の哲学を持って生きてほしいと。そうすることで周りからの評価ではなく、等身大の自分で生きていけると、伝えてくださいました。
自分を良く見せようとするあまりに大切なものを隠し、偽って生きるのではなく、本当の自分をさらけ出しぶつかることから成長したいと痛感したセミナーとなりました。