ヤングセミナー
【レポート】人間塾2016年度第10回ヤングセミナー
2016年10月14日
人間塾 第3期生 佐藤大知
(専修大学4年)
9月29日に、本年度10回目のセミナーが開催されました。9月の中旬に行われた軽井沢合宿の時と比べ、今日は少し暖かい雰囲気が塾生たちの間で見られました。塾生たちが合宿を通して互いを理解し合い、さらに受け入れ合えるようになったことからくる安心感のようなものだと感じました。
本日のセミナーのテーマは「この日本という国に生きること」についてです。塾生達の反応は、「日本で生きていることは幸せだ」「この国に生きていて誇りに思う」という意見がほとんどでした。そして、この日本という国で「自由に生きている」と実感している塾生が多くいました。私たちは、日本に生まれたお蔭で、食べ物に不自由することなく、学びたいことを学べ、行きたい場所に行くことができます。しかし、その自由を保障しているのは日本という「国家」なのです。私たちが海外に行く時に、日本のパスポートを持っていればほとんどの国々を行き来することができます。普段何気なく享受している「自由」は日本という国が私たちの後ろに存在しているから成り立っているのです。
現代社会において、「自由」という概念は民主主義、ならびに資本主義の下での「個人主義」と理解されることが多いです。しかし、そのような考え方が極端な方向へ進んでいくと、世界全体に「自分さえよければそれでいい」という考えが蔓延すると塾長は話されました。個人主義からくる利己主義に多くの国家は舵を切り始めているとのことでした。そして、塾長からの問いかけは続きます、「本当にそれでいいのだろうか」と。「自由」とは、自分のためだけに使うのではなく、自分の属するコミュニティ、すなわち共同体がより良くなるために使うことが重要だとおっしゃいました。そして、私たちの属するコミュニティの一つは、「日本」という国です。また同時に「世界」も私たちが属している一つのコミュニティです。そして人間塾で学ぶ「自由」とは、「この世界を、この国をより良くする方法を追求するための自由」だと思いました。
私たち塾生一人ひとりは、その性格も違いますし、学んでいる専門分野も全く異なっています。しかし、私たちが共通して持たねばならない軸があります。それは「その意思決定は、世のため人のためになっているのか」ということです。今回のセミナーでは自分の属する「国」と「自由」を切り口に、生きるための軸をもう一度考えるきっかけになりました。