ヤングセミナー
【レポート】人間塾2016年度第7回ヤングセミナー
2016年7月21日
人間塾 第5期生 尾方莉奈
(上智大学1年)
7月に入り、暑さが厳しくなってきましたが、この暑さに負けずに14日に第7回目のヤングセミナーが行われました。塾長のお話の後に、塾生が自分の意見や質問を発表し、活発な雰囲気のセミナーになりました。
今回のテーマは「セミナーのめざすもの」についてでした。「education=教育」に焦点をあて、考えていきました。「education」はラテン語の語源では「引き出し」という意味だと塾長に教えていただきました。引き出しの奥には、大切なもの、忘れていたものが入っています。教育も同じです。人の心の奥底に、その人にとって大切なものがあります。1人1人の心の奥底にあるものを引き出すことが教育だと塾長は説明されました。塾長が用いている引き出しの方法は、その人の心を揺らすことだそうです。多くの人は心を揺らされたとき、ごまかそうとして心の傷を隠そうとします。そのままでは、決して成長しません。心が揺れた時に初めて人は成長します。
私は、心が揺れた時に人は成長するというお話を聞いて、心が揺れているだろうかと思いました。人間塾や大学では、自分が考えたこともないことや知らなったことを教えていただきます。そして、生きていく上でこんな考え方が必要なのではないか、自分にはここが欠けているのではないかなどと考えます。私は、自分の心の核がまだ薄っぺらく、自分の心に向き合ってきちんと格闘するところまでは行っていないのではないかと思いました。
塾長のお話の後に、塾生たちが質問や自分の意見を塾長にぶつけていきました。特に印象に残ったことは、道徳的判断についてです。塾長は、例として反ナチのドイツ人の実話を挙げながら、間違ったことを指摘するための第一声を発するのはとても怖いのだ、と話されました。それに対して「ナチス時代の校長がヒトラーに敬意を表したのは、間違っていることはわかっていたが、自分の生徒たちを守るためにしぶしぶ敬礼をしたのではないか」とある塾生が質問しました。塾長は、「道徳的判断は決断を下すその時になって初めて実感をもって身に迫ってくるのである。ケース・バイ・ケースがあるということを頭に入れて事に当たること。人とのかかわりの中でのジレンマと戦わなければならない時が人生にはある」と答えられました。ジレンマの中で道徳的判断をしなくてはいけない時が必ず来ます。第一声を上げる勇気をもち、苦しみの中にあっても道徳的な判断を下さなければならない事があることを知っておきたいと思います。
私は、まだまだ自分でも気づいていないことが心の奥底にかくれています。傷つけられることを恐れずに、心の傷をごまかすことなく、自分と戦っていきたいと思います。今回のセミナーでは、自分との向き合い方を学びました。これからも日々精進していきたいと思います。