ヤングセミナー
【レポート】人間塾2016年度第5回ヤングセミナー
2016年6月18日
人間塾 第4期生 神薗春香
(東京医科大学4年)
梅雨の季節になり、気分が落ち込みやすい時期ですが、人間塾は変わらず明るく、セミナーが行われました。
今回のセミナーは、普段のセミナーとは異なり、塾生が塾長にテーマを投げかけ、そのテーマに沿って行われました。塾生から挙がったテーマは「希望」「愛」「意思」「品格」の4つでした。これらのテーマを塾がどのようにつなげていくのかと、胸が高鳴りました。
最初の切り口として、「希望」から話が始まりました。世の中には、「希望は叶わないもの」「希望は持たないほうがいい」と言う人がいますが、人は希望を持つべきであり、希望はもったら叶えるべきであるというお話でした。希望は、希(まれ)な望みと書き、特別な思いや願いを意味していること、そしてそうした思いや願いは簡単に叶うものではないけれども、叶えるために惜しみなく努力することの大切さを教えてくださいました。そして、普段望みというと「自分が望むこと」を考えますが、今回のセミナーでは「自分がどう望まれているのか」ということが問われました。それは親や友人ではなく、運命のような、もっと大きな存在から望まれていることです。自分が望んでいることを考えることはあっても、自分がどう望まれているのかということを考えることがなかった塾生にとっては、新たな視点となりました。
次に塾生に「あなたにとって愛とは何ですか?」と塾長は問いかけました。塾生からは「相手のことを大切に思う気持ち」「すべてを相手に捧げること」などの意見がありました。そして、塾長はその意見を受け入れながらも、愛とは相手から見返りを求めず、相手に選ばせることであり、相手のために惜しみなく力を注ぐことであると説かれました。これは先ほどの、希望をもってものごとに取り組む姿勢に通ずるものでした。
そして、続けて塾長は「意思」とは理想に向かって、つらいことがあってもコツコツ取り組む姿勢であり、ゆるがないものであると仰いました。以前、「愛は意思である」といった塾長の言葉を思い出し、愛は揺らぐものではなく、相手のために惜しみなく一心に力を発揮する姿勢であることを意味していたのだと、附に落ちた瞬間でした。
最後に「品格はなぜ必要なのか?最高の品格とはなにか?」を考えました。品格とは人に不快感を与えないために必要なものであり、そのために守るべきマナーがあるのです。しかし、マナーを守ればそれでいい、ということではないことも教えてくださいました。それは人への思いやりと愛こそが最上級の品格であるということです。マナーを守ることは大切なことですが、相手がマナーを間違ってしまっても、それを咎めるのではなく、赦すことが大切であるということでした。品格と愛は裏返しであり、愛と強いつながりがあったのです。
一見つながりがないように見えた4つのテーマが、全体を通してすべてつながっていることに驚き、感動の余韻に浸りながらセミナーが終わりました。日々生活していると、様々なことに追われ、物事をこなした数ばかりに注目してしまいがちだった私にとって、4つのテーマを通して、改めてどれだけ心を込めて取り組めたか、相手を思いやって行動することができたかといったことを再度考えさせられたセミナーとなりました。