ヤングセミナー
【レポート】人間塾2016年度軽井沢合宿第一日目
2016年9月30日
人間塾 第5期生 浦山宗宏
(東京医科大学2年)
9月17日、秋雨がしとしとと降り続くシルバーウィークに、私たち塾生は風光明媚な軽井沢に降り立ちました。
私たち5期生にとって、はじめての軽井沢研修だったので、一同は、気付きをどのように得られるのかという緊張と期待感を抱きながら、友愛山荘へと歩みを進めました。
友愛山荘到着後、食堂で昼食をいただき、セッションが行われる友愛ホールへと移動しました。1日目には、3つのセッションが設けられていました。第1セッションでは、まず友愛ホールの由来である「友愛」について仲野先生からお話がありました。「友愛」の友は友情、愛は人類への愛を表しており、そこから相互尊重、相互理解、相互扶助という「友愛」の原理が形作られているそうです。友愛の精神を政治に掲げられていた鳩山一郎元首相は、「互いに切磋琢磨して素晴らしい世の中を作る」ことを掲げられ、日ソ国交回復に代表される数多の輝かしい実績を残されました。
引き続き、本セッションでは、人として成長するために必要なものの一つである「出会い」について、塾生同士の分かち合いを通して学びました。「出会い」は、終わってからその意味に気がつくものであり、「今のあなたのままでいいのか?と問われていること」というお話を塾長から聞き、自分がいかにその出会いをないがしろにしていたか、そして立ち止まって考えていなかったかという愚かさに気がつかされました。自分が理想とする人に成長できるのか暗中模索する中で、その問いの答えを導くものに気がつかなければ、進むためのチャンスの芽を自分で摘んでしまってきたことと同じでした。この気付きを得て、変わらなければならないと思った第1セッションでした。
第2セッションでは、どのように社会に寄与していくのかを塾長にお話していただきました。まず、生きる意味について考える上で、「あなたはなぜあなたの母親から生まれてきたのか?」という問いが投げかけられました。その問いを聞いた時、その意味は限りなく無に近いのではないかと葛藤して、色々な意味を考えました。その時、「答えや意味が見つからないのであれば、それを自分で作ればいい」というお話を聞いて、自分も無意識のうちにその行動をしていたことに驚きました。そして、本セッションの本題である、社会への寄与の仕方について、人を道具にたとえて塾長からお話をいただきました。道具が溶鉱炉から様々な工程を経て、形作られていくように、人間もまっさらなところから様々なことを学んで、だんだんと形作られていくこと。そして、道具がその目的に合わせて役に立つように、その人に与えられた使命を全うし、社会に寄与することを伺いました。その例えがすっと自分の中に入り、道標を示してくれたように感じました。
第2セッションが終わり、食堂で夕食をいただきました。第1セッションからいらしていた井上さんを囲んだ会食は、とても楽しく、また様々なお話を井上さんからお聞きすることができました。その中で、井上さんからどれほど大きな応援をいただいているかをひしひしと感じ、塾生としてより精進していかなければならないと気持ちが引き締まりました。
夕食後、再び友愛ホールに移動し、第3セッションが始まりました。午後のセッションで取り組んできた、道具としての自分と社会について思いを巡らせながら、本セッションの課題である意志力について考えました。その中で、「人は誰しも欠点を持っており、それゆえ努力をするのだ。そしてそれを克服しようという情熱に駆り立てられた日々が宝物として、何十年後かの自分を作り出すのだ」という言葉を仲野塾長からいただきました。この言葉を聞いて、より豊かで、深い人生を送るには人一倍努力し、かつ情熱的に信念を持って物事に取り組まねばならない、自分にはまだその課題が定まっていないことに気づきました。そして、その情熱を保つための意志力が今後の人生を左右していくのではないかと思いました。セッションの最後に、松明の火を師からもらい、その火を絶やすことなく、かつ自分の周りに集う人々に分かち合うことが塾生としての役目であるというお話をしていただきました。まず火を灯せるようになることを目標として、自分はどう進んで行きたいのか、様々なことに悩み抜いてそこに到達できるどうかという最大のミッションを与えられた気がしました。そのミッションを果たすべく、悩み揺れながら進んでいきたいと思いました。
初日の3つのセッションを通して、今までの人生を振り返る機会があり、またそこから自己分析を通して、新たな気づきを多く得ました。その気付きから得たことに悩み、揺れながらこの3日間を過ごしていきたいと思います。残りの軽井沢合宿に対して、より意欲を掻き立てられた1日でした。