ヤングセミナー
【レポート】人間塾2016年度小豆島・遍路研修(第五日目)
2016年5月9日
人間塾 第3期生 佐藤大知
(専修大学4年)
5月5日、本日はお遍路研修の最終日でした。朝起きた時には皆少し疲れているように見えました。しかし、そんな時だからこそ皆で協力し合い、最終日を乗り越えるために全力を尽くすことが大切です。皆、朝ごはんを食べた時は口数が少なく、疲労が抜けきっていないように見えました。しかし、お遍路研修は続きます。いざ歩き始めると皆顔つきが変わりました。そこにはどんなに苦しいことがあっても自分と向き合うという決意をした勇ましい表情がありました。
この表情は、精神的にも肉体的にも余裕があった1日目や2日目では、見られなかったものでした。身体と気持ちの限界が見えた時に訪れる苦痛と不安に真正面から立ち向かうことが求められていたと思います。最終的には周りの塾生たちがお互いに声をかけ合い、励ましあうことで乗り切ることができたのです。
最後のお遍路が終わり、宿舎の長栄堂で最後のお昼ご飯、精進上げのお膳をいただきました。そして5日間私たちの遍路を先導していただいた森下さんとも最後の挨拶を交わし、東京に向かいました。小豆島から東京に向かう最中、乗り換えのため岡山駅にて一旦下車しなければなりませんでした。岡山駅では、ドミニカ共和国からの留学生・ジョナサンとお別れをしました。ジョナサンは最後に塾生全員と言葉を交わしていました。彼は、今回お遍路研修を通して日本の「和の精神」とは何かを知ることができたと話していました。日本人の「無償で人を思いやる気持ち」や「本当の意味での優しさ」を塾長や塾生たちから感じ取ったそうです。それを聞いた僕も少し涙ぐんでしまいました。あまり普段から感情的にはならない僕が、彼との交流を通して感じたことや経験したことは、かけがえのないものだったのだと確信しました。
こうして今年度のお遍路研修が終わりを迎えました。毎回思うのですが、お遍路研修は自分自身と向き合えることはもちろんですが、周りにいる同じような境遇の仲間達を助けることができる絶好の機会だと思います。自分も悩み、仲間達も悩んでいます。それぞれのその思いを出し合い、苦しみながらもお互い助け合っていく。そうして見えてくる「自己」というものはこれから社会に出ていくための大切な軸になるのではないでしょうか。