ヤングセミナー
【レポート】人間塾2016年度小豆島・遍路研修(第二日目)
2016年5月5日
人間塾 第5期生 佐藤 仰
(ルーテル学院大学2年)
本日、5月2日から歩き遍路が始まりました。私にとっては初めての小豆島ですので、とても新鮮な気持ちでした。朝食後、宿に感謝のお経を唱えてから出発しました。一日目は先達の森下さんと塾生七人という少人数でのスタートでした。
歩き始め、すぐに山の中の道へ入っていきました。豊かな自然の中で歩くことは東京では滅多にできない経験です。どこからか聞こえてくる鶯の声。足元に広がる落ち葉。木と木が交錯してできた天然のトンネル。そして、思わず目を奪われるような美しい瀬戸内海の景色。改めて自然のありがたみを感じさせられた一時でした。
本日のお遍路ではいろいろなことに気づかされました。その中の二つを紹介したいと思います。一つは歩くことについてです。お遍路の道中で、いろいろな方からお接待をしていただきました。初対面の私たちを温かく迎え、疲れを癒してくれました。普段東京にいると移動の手段は常に車や電車であり、お遍路のように歩くことは滅多にありません。私は交通手段が便利になった現代社会に生きている自分が、多くのものを失っていることに気づきました。それは人との出会いであったり、自然の恵みであったりします。しかし、車や電車に乗っているとそのようなことは忘れがちです。歩くことを通して心を静かにしていると、はっとそれらに気づくことが出来るのです。遍路の経験を通して、私は普段意識することのないものに対しても意識を向けることができました。
もう一つは食事の有難さです。今の日本ではお腹が空くと簡単に食べ物を得ることが出来ます。そのため、本当にお腹が空いた状態で食事をする機会は限られています。お遍路では、常に歩いているため、ほしいものがすぐに得られるわけではありません。もちろん食事もです。朝昼晩に宿の方が作って下さる美味しい食事を食べていると、私は本当に幸せな気持ちになります。食事に対する感謝の気持ちでいっぱいになるのです。
心地よい疲れと多くの気づきを与えられた一日に、そして、多くの人々の温かさに感謝の念があふれてくる遍路第一日目でした。