ヤングセミナー
【レポート】人間塾2015年度第20回ヤングセミナー
2016年3月1日
人間塾 第3期生 加藤有香
(東京医科大学3年)
春一番が吹くものの、季節はまだまだ厳しい寒さです。しかし、塾長、塾生が集まると、熱い熱気に囲まれ、いつも温かな気持ちをもらえます。
さて、2月18日のセミナーは、一歩、二歩と自分の心に歩み寄ってくるようなセミナーとなりました。
まず、塾長からいただいたのは、塾生への問いかけです。心に「チクッ」と針のようなものを刺されたような問いでした。それは、「あなたを変えた、あるいは変えるような言葉は何ですか。あなたの心を揺さぶった言葉はなんですか」という問いです。
私は、正直言って、今回の問い掛けを前に心が苦しかったです。なかなか自分の言葉として出てきませんでした。看護学生として実習に半年行かせていただきましたが、そこで得たこと、衝撃を受けたことが多かったものの、それを「自分を変えた」というところにまで落とし込んで考えられていなかったのではないかと思います。このような問いかけを与えられて改めて、等身大の自己を見つめていないのではないかと思いました。
しかし、熟考してみると、ある患者さんが言った「生きている意味がわからない」という言葉が、私を揺さぶったのだと感じました。その方に出会って気づかされたことは、「生きる」とは何かを十分にわかっていない自分だったのです。自分の現状はまずここにあるのだと、釘を打たれたような気がしたのです。
また、他の塾生たちからもさまざまな言葉が寄せられ、それらを分かち合えたことで一つの方向性のようなものを塾長は与えてくださいました。それは、「人から良いものは吸収でき、真似はできるかもしれない。でもその人自身にはなれない」という言葉です。人を見て羨ましがるのではなく、今の等身大の自分をしっかりと見つめること、そしてそのありのままの自分を許すことから始める。無いものを数えるのではなく、あるものを数えるという作業の大切さでした。
そして、さらに踏み込んだ問いかけは、「あなたは、自分を愛していますか」という言葉でした。愛とは、意思であり、思い続けること、信じ続けることが大切であると塾長は教えてくださいました。
誰しも、愛に乾いています。私もその愛を欲している一人です。だからこそ、愛されるよりも、まず人を愛するということから始める。そうすることで、愛にあふれた人間になりたいと思いました。
今年度のセミナーも終わりが近づいています。まとめ合宿では、自らを立ち止まらせ考えるような問いを沢山くださるとの予告もあり、今からどのような自分に出会えるのか、楽しみです。春を迎える前に、自分の心に暖かい風を吹かせたいと思います。