ヤングセミナー
【レポート】人間塾2015年度第6回ヤングセミナー
2015年7月13日
人間塾 第3期生 小平寧々
(聖心女子大学4年)
今回のセミナーは、つい先日完成した『人間塾ドキュメンタリー~水を得た人~』の鑑賞から始まりました。1期生として人間塾に在籍し、現在は福岡県でMRとして働く荒木さんの半生と進路選択に密着したこの映像から、人間塾での学びを体現する生き方の手本を頂き、今一度、自らに与えられた責任とそれに向き合う姿勢について考えさせられました。
映像の中で特に印象的だったのは、「人間塾で教わった世のため人のためという精神は、自然と溢れ出る想いとなっている」と語る荒木さんの姿です。私事になりますが、就職活動を機にやっと、「世のため人のため」という精神が課せられた「義務」ではなく、これまで受けてきた沢山の愛情への「責任」として、自然と湧き上がる想いであることを実感するようになりました。しかし、名実ともにその歩みを進めている荒木さんの力強い姿を見たことで、その責任を知るに止まったままで、いまだ全うしようとしない自分に気付かされました。そして、易きに流され、自らの利だけで就活を進めていた自分に深い後悔と反省を持たずにはいられませんでした。
映像鑑賞の後、仲野塾長は「若いうちに自分の人生の意味を探し出すため悩み、苦しみ、覚悟を決めて修練していかないのは、命の無駄である」という言葉を投げかけます。「命の無駄」というショッキングな言葉から、自らのみならず私に関わって下さった全ての人の想いが無駄になるという責任の重さを思い知ったと同時に、「覚悟を決めて修練する」という表現に胸が痛くなる自分を感じました。
セミナーの後半では、心理学者.アドラーの生涯と、彼の提唱した人生で達成すべき五つの課題について話されました。①仕事 ②交友 ③愛 ④自分自身との折り合い ⑤人生の意味の発見という五つの課題を知り、私は、それらすべては相互的で、全体の完成なしに個の完成は無いだろうということ、五つの課題の達成は一生を通して向き合い続ける問題であるだろうということを考えました。そして、自分は一体この課題にどう向き合っていくのかという問いかけに対し、すぐには完成されないから未熟な今は中途半端にしか生きられないだろうという結論が頭をよぎった時に、アドラーと荒木さんの姿が重なり、私に迫ってきました。
たとえ五つの課題の達成が一生のテーマであったとしても、覚悟と迫力をもって対峙しなければ決して達成への一歩を踏み出せません。これらの課題を単なる知識としてしか受け取らず、それを生きようという覚悟を決めない自分の在り方は、「世のため人のため」に向き合う自分と全く同じでした。
私にとって今回のセミナーは、生半可な覚悟しかしていない自分を思い知らされ、焦り、胸が痛む苦しい時間ではありましたが、覚悟を決めて実際に歩み出す転機となりました。八か月後の自分が、先輩たちに続いて堂々と人間塾の塾生として社会に歩み出せるよう、この苦しみを糧にますます励んでいきたいと思います。