ヤングセミナー
【レポート】人間塾2015年度軽井沢夏合宿・三日目
2015年10月10日
人間塾 第4期生 梅山翔平
(筑波大学医学医療系4年)
ついにやってきた軽井沢合宿三日目。合宿に来る前から『実りの多い、厳しい合宿』と聞かされていた合宿も最終日となりました。確かに自分と正直に向き合うという作業は大変厳しいものでした。昨夜は考え込んでしまって眠れませんでした。しかし、朝起きた時は、軽井沢の自然の豊かさも手伝ってか、晴れやかな気持ちで起きることができました。周りの塾生も同様だったようです。朝食の時間になると一人も遅れることなく、爽やかな顔で食堂に集まり、その後、最後のセッションを迎えました。
最終日のセッションは午前のみでした。塾長は、塾生が皆と共有したい思いがある事を察して、『この合宿で考えたことについて自由に共有しなさい』と穏やかに言われ、聞き手に徹しておられました。しかし、時間は有限です。セッションの終了時間が正午までと決まっていたので一人五分程度でという条件が付けられました。しかし、塾生は皆と共有したい事があまりに多かったようです。人によっては本当に深く、本当にそこまで共有して大丈夫なのかというほど自分の内面にまで言及していて驚きました。感極まって泣く塾生もいました。ですが結局私も、人に見せたくない、今までの人生で隠してきていた面までさらけ出していました。これがこの軽井沢合宿のすごさでしょうか、うまく表現できないのですが、先輩方が『軽井沢合宿は凄い』と言っていたことがわかったような気がします。
塾生全員が語り終わった後、塾長は『いくら揺れても皆は大事な存在です。揺れても大丈夫な人間として巣立って欲しい』とおっしゃいました。確かに、今回の合宿で塾生は様々な課題を通じて大いに揺らぎました。しかし、人間塾の塾生として揺れることができることができるのは人生のうちではたった数年だけです。あと数年もすれば、人によっては半年もすれば、皆社会へと巣立っていきます。その社会で揺れても、大きな目標に向かって、折れずに強く生きていってほしいというのです。私はこう言われて、どこかほっとしている自分に気づきました。今回の合宿では自分の根幹を揺るがすような別の自分自身が意識の中に潜んでいることに気づき、とても不安になりました。しかし、それでもいいと。その上で自分を受け入れて、自分が大事な人間であることを信じなさいと、言われたような気がします。
今回の合宿ではなんとなく生きているだけでは見えなかった自分を見つけることができました。しかし、それだけでは自分の嫌な面に押しつぶされていたかもしれません。ありのままの自分を吐露し、そして受け入れてくれる場所があって本当によかったと思います。
合宿を終え、塾生はみな解放感に満ちた、どこか憑き物の取れたような表情をしていました。人によって段階こそ違いますが、塾生は皆自分を見つめ直す作業にようやく着手し始めたところです。今後もこの自分に向き合っていくという厳しい作業は続いていきます。これからも軽井沢合宿で得た経験を糧に精進して参ります。