ヤングセミナー

【レポート】人間塾2014年度第2回ヤングセミナー

2014年5月15日

人間塾 第1期生 鷲見克人

ゴールデンウィークが明けて約一週間、いつも通りの忙しい日常に再び慣れ始めた5月12日、今期2回目のヤングセミナーが開催されました。今回の内容は、2005年のフランス映画『サン・ジャックへの道』の鑑賞、および意見の分かち合いでした。

セミナー前の食事はお肉も野菜もたっぷりのメニューでした

セミナー前の食事はお肉も野菜もたっぷりのメニューでした

映画と自身の体験を重ね合わせる塾生たち

映画と自身の体験を重ね合わせる塾生たち

映画の舞台はル・ピュイ=アン=ヴレからサンティアゴ・デ・コンポステーラまでのキリスト教の巡礼路。主な登場人物は9名で、成り行きで巡礼の旅に出ることになった者ばかり。中にはイスラム教徒やキリスト教に対して否定的な者も含まれています。そんな彼らの間には連帯や結束というものはなく、各々が自分勝手に振る舞い、道中争いごとが絶えません。しかしそんな彼らですが、長い巡礼路を歩き続ける中で、これまでの暮らしの中でまとわり付いていた葛藤やしがらみから脱し、心も体も身軽になって自分自身と向き合うようになります。目的地のサンティアゴ・デ・コンポステーラに着いた時には、全員で喜びを分かち合っています。巡礼路をひた歩き続ける中で、それぞれの登場人物が内面から変わっていく様子をコミカルに表現した映画でした。

多くの塾生は、このゴールデンウィークに小豆島で遍路研修を終えてきました。彼らにとってこの映画は、宗教文化や規模に違いこそあれ、同じようにひたすら「歩く」という体験の中で多くのことに気づき、成長した者として共感できる部分が多かったと思います。私たちも多忙な日常生活を送る中で様々なしがらみを抱え、ついつい大切なものを見失いがちです。しかし、そんな自分と向き合い本当に大切なものを一つ得たいと思えば、日常の中で大切にしている何か(利便性、プライド、地位など)を一つ手放さなければならないということを、この映画は教えています。

映画の最後には、エンドロールと共に、日常に戻った9人の様子が描かれています。何かを手放した代わりに大切なものを得た彼らは、より生き生きと映し出されています。私たち塾生も、お遍路体験で得たもの、気づいたものを再び見失うことなく、今後も大切にしていきたいと思い直す機会となりました。




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