お知らせ

アメリカ留学中の塾生からのお便りのご紹介(2)

2015年12月26日

アメリカのオレゴン大学で学んでいる佐藤大知君から、留学レポートが送られてきました。

日本でもたびたび話題となっているイスラム国について、彼の実体験を交えながらレポートしています。是非ご一読ください。

塾長・仲野好重

人間塾 第3期生 佐藤大知
(オレゴン大学/専修大学)

こんにちは。現在アメリカオレゴン州のオレゴン大学に留学中の3期生佐藤大知です。こちらでは秋タームが終了し冬休みに入りました。少しこちらのことを報告させていただきます。

先週、すべての授業の期末テストを終え、ほっと一息ついているところです。 この秋タームはとてつもなく忙しかったものの、とても充実したものでした。しかし、少し寂しかったことがありました。それは、私の親しい友人の一人が、アメリカでの留学を終え帰国してしまったことです。

彼は中東の国クウェートから来ていた学生で、コンピューターサイエンスを専門にしている学生です。彼からはイスラム教のことから、今中東の国々が抱える社会問題まで たくさん教えてもらいました。

現在、中東の国々はイスラム国の過激な動きにより大変困難な状況に立たされています。世界中のメディアは、連日イスラム国の動向を放送し、いかにイスラム国が危険な動きをしているのかを人々に知らしめています。それはメディアの重要な仕事ではあるのですが、同時に「中東の国々の人に対する偏見」も作り上げてしまっているように感じてなりません。私の友人はそれを体感している一人でした。中東の国で生まれた容姿を持って外を歩けば、 「イスラム国についてのニュースでよく出てくる類の人々だ」「危険な思想を持ってはいないだろうか?」などと警戒されることが多くあるそうです。言葉にして直接は言われなくても、そのような距離を置いた対応を日常でよく感じ取るそうです。私は彼の友人の一人として、このような状況をとても悲しく思います。

留学中の佐藤大知君から:クウェートと中国からの友人と共に

クウェートと中国からの友人と共に

そもそも、イスラム国とイスラム教とは思想や活動が全く異なるものです。にもかかわらず、メディアはその違いや特徴を明確にせずただただ「危険なことをしているイスラムの人々」と一辺倒にし、情報を発信していることに不信感を覚えました。

この傾向はアメリカだけでなく、日本でもみられるのではないでしょうか。そして私たちメディアから情報を受け取る側は、メディアから受け取った情報をそのまま鵜呑みにせずあらゆる角度から同じ事象を考察し、自分でその情報の信憑性や有益性を判断する必要があると感じました。私のクウェート人の友人はその重要性を自らの辛い経験をもって私に教えてくれました。彼は母国に帰ってしまったので、次いつ会えるのかはわかりません。しかし彼が中東で暮らしていても彼は私にとってずっと大切な友人の一人です。このような友人を持てた環境に感謝し、次のタームも頑張ろうと思います。

みなさん、最近はいかがお過ごしでしょうか?ヤングセミナーの塾生もそろそろ冬休みに入る頃かと思います。シンポジウムも無事終了したと聞いています。今の時期、日本では空気は乾燥し、風邪や病気が流行る頃ですね。くれぐれも気をつけてください。



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