講演会
【レポート】人間塾2020年度塾長ウェブ講演会
2020年8月29日
人間塾 第8期生 萩野広夢
(早稲田大学大学院修士課程1年)
去る8月23日に、WEBでの塾長講演会が開催されました。今回の講演会はWEBでの開催であったにも関わらず、80人以上の方々が参加されていました。参加者の中には、人間塾を支援してくださっている会員の方々や、塾生の保護者、また修了生の方々も参加されていました。講演会の冒頭、塾長先生は一期生から順に修了生の紹介をしてくださいました。起業をした方、医療現場で働く方など、フィールドは異なるものの、各々の使命を胸に活躍されている先輩たちの紹介でした。修了生の方々の活躍を改めて知ったことで、現在塾生として学んでいる私たちも後に続いていけるようにと、気が引き締まる思いでした。
引き続き、塾長はスカラーシップについてのお話をしてくださいました。スカラーシップとは、日本で一般的に捉えられている奨学金制度とは根本的に異なります。日本の一般的な奨学金制度は、経済的困難にある学生がまず対象となります。一方、スカラーシップは、学生の将来を信じて託すものであり、高い志を持つ者が対象となります。そのため、人間塾の井上和子スカラーシップは、真の意味で誠実であり、勇気があり、義務への意識の高い学生に託されるのだとおっしゃいました。また、そのためには「恩送りの精神」が重要だと言われました。恩送りとは、恩を与えてくれた人に対して恩返しをするだけではなく、そこで得た学びや感謝を、別の他者に対して惜しみなく分かち合ういうものです。
スカラーシップのお話の後、人間塾のキャッチコピーについての説明がありました。「人に出会い、人をつなぐ、人になる。」という人間塾のキャッチコピー。そして「キミにしか創れない、未来を信じて。」という井上和子スカラーシップのキャッチコピー。それぞれの制作過程や、その思いの背景についてお話を聞くことができました。私が特に印象的だったものは、スカラーシップのキャッチコピーの説明文に書かれている「キミにしか叶えられないその夢はいつか必ず、社会に生きるたくさんの人の幸せと笑顔をつくるものだから。」という一文です。こんなにも私たちの将来を信じ、背中を押してくれる団体に、自分は巡り合えたのだという思いで胸がいっぱいになりました。また、このことばが一人でも多くの志を高く持つ人々に届いてほしいと感じました。
講演会の終わりに、塾長先生から緒方貞子さんのお話がありました。塾長先生は、緒方さんの「困っている人間がいることに気づいたら、それを見過ごすことなどできない」という考え方から、「消極的な生き方をしてはいけない。何事にも積極的に生きなさい」ということを言われました。Covid-19感染拡大の影響で、日本には今「自分さえ、家族さえ無事であればそれでいい」という考えが蔓延しています。このような自己中心的な考え方は即座に改める必要があるのだと再認識しました。
今回の塾長講演会は、改めて塾生としての在り方を見つめ直す機会となりました。まだまだ未熟な私ですが、人間塾の一塾生として、積極的な生き方を選択し、恩送りの精神を持ち続けて日々を過ごしていきたいと思います。