講演会
【レポート】人間塾2018年度関西講演会「若者が育ち、社会が動く時」
関西講演会を終えて
2019年3月2日
人間塾 第7期生 冨岡平祐
(埼玉大学3年)
去る2月24日に尼崎市総合文化センターにて人間塾関西講演会が行われました。私を含め塾生4名がお手伝いとして同行させていただきました。普段なかなかお会いすることのできない人間塾をご支援いただいている関西の皆様にお会いし、多くの方の応援があって、私たち塾生が学ばせていただいているのだと感謝の気持ちを強く持ちました。
講演会では仲野塾長のお話に先立ち、塾生4名から人間塾はどのようなところであるのか、普段どのような活動をしているのか、説明させていただきました。練習や準備段階では、多くの参加者の方の前で話をさせていただくことに緊張していました。緊張と不安から硬くなっていたのですが、聴く方にわかりやすい、伝わりやすい発表をしようと気持ちを改め、本番に臨みました。壇上に上がると、皆さんが温かく見守ってくれているということを感じることができました。優しく頷きながら真剣に聞いてくださるおかげで、拙い発表ではありましたが無事終えることができました。
そして、私たちの発表が終わり、「若者が育ち、社会が動く時」という演題で仲野塾長のご講演が始まりました。
人間塾で仲野塾長が私たち塾生と向き合う時、目指していることについてお話しされました。それは「塾生それぞれが気づいていない囚われやこだわりを見つけ、本人が気づくためのお手伝いをすること」だそうです。セミナーや毎月の個人面談でそのヒントを示すことで、塾長は塾生自身に考えさせます。セミナーの回を重ね、塾長面談でそれぞれに考え続けている塾生は、9月の軽井沢合宿にて大きく揺さぶられ、自身の軸について深く向き合います。合宿を越えた塾生は、塾長から秋冬と違う角度で揺さぶりを受けます。自身の課題に気づけるか否か、その進み方は塾生それぞれです。長く時間がかかり根気のいる作業です。しかし仲野塾長は一人ひとりと向き合い、私たちが自分自身で乗り越えることを祈り、愛をもって接してくださいます。
また、仲野塾長は「塾生に対してのうるさい存在、壁で在りたい」とおっしゃいました。塾生が人間塾で向き合う課題は、理不尽に対して度量を身につけてほしいという願いをもって与えられるものでもあります。壁を乗り越える経験は塾生にとって良い糧となりますが、壁にとっては蹴られ、踏まれる多くの苦労を伴う行為です。そうして真剣に向き合ってくださる塾長に対して、私たち塾生ができることは、自身のために与えられる愛のある理不尽を深く受け止め、痛みを伴うことだとしても自分自身と向き合うということです。ギリギリのところまで追い詰められるときもある中、塾長は考え苦しむ塾生に対しロープを垂らし、救う役でもありたいと思っているそうです。塾生の成長を信じ、どこでヒントを示し救うのかは塾長自身のチャレンジでもあります。
人間塾で教えを受けた塾生は修了生として社会に羽ばたきます。それぞれの分野で活躍する先輩方も理想と現実の乖離に悩み、人間塾に想いを確認しに戻ってくることがあります。自分本位であることや、それ自体に気づかない無知さが持つ力は強く、社会に蔓延しつつあります。社会全体がそうならないようにするため、少数ではありますが、世のため人のためを思う人間を育成する場が人間塾です。心に火を灯し、その輪を広げ、つなげていくことで、いい意味での「地殻変動」を起こしたいと塾長はおっしゃいました。
講演会後、茶話会が開催されました。短い時間ではありましたが、ご参加の皆様にご挨拶しお話しさせていただくことができました。私たち塾生の成長を願い、優しく、温かく、激励の言葉をかけてくださいました。応援してくださる方々のお気持ちに直接触れることができ、私たち塾生の為すべきことを再確認いたしました。かけてくださっている愛情や願いといったお気持ちに少しでも応えられるよう、今後とも人間塾の塾生として邁進していきたいと思います。今後も自身の課題と向き合う中で、私にとって痛みを伴う辛い経験をすることもあると思います。そんな時は、関西から私たち塾生の成長を願ってくださっている温かい応援団のことを思い出し、目の前の壁を登っていこうと思います。