心に響く 講演・セミナー集
生きて、燃えて~その1~
ユングという学者はこう言いました。
『人生は、「午前」と「午後」の二つに分けられる。
その分かれ目の時期が40歳である』と。

太陽がサンサンと差し込んで明るいのは午前中です。
大抵の人はエネルギーに溢れています。
力がみなぎっている人生の午前中は、
だいたいの区分で言うと40歳代までだと彼は言うんです。
私は今もなお、人生の前半を生きているつもりですが(笑)
一方で、人生の午後は40歳代以降だと言う。
朝があれば夜になるのは人類共通です。
人間の一生も同じ。午前中があれば午後がある。
でも、午後というのがいいですね。
少しホッとできませんか?午後は楽しみがいっぱいありますよね。
例えば、1日の食事の中で夜ご飯が一番楽しみ!という方もいるでしょう。
また、夕食後に団らんをなさるでしょう。
いやいや、夕食や団らんもいいけど、
私が一番好きなのは寝ることだ!という方もおられます。
色々なものを吸収して、色々な楽しみ方ができるのは人生の午後なんです。
40歳くらいまでが人生の午前中と言われると、
ずっと頑張って生きてきた私たちも、
少しもの悲しい感じになりますが、決してそうではない。
考えてみると、午後のほうが時間は長いですね。
エネルギーに溢れて、これから1日が始まるぞ!
という時間は数時間です。
人生でも40歳くらいまでは本当に助走期間だと思います。
その人の真髄が出てくるのは40代、50代、60代、70代。
いよいよ完成されてくるのは80歳、90歳代です。
だから、午後というのは素晴らしい実りの時期と言えるでしょう。

以前、私は高齢者の方にインタビューをして回ったことがありました。
本当にたくさんの方にお話を伺いましたが、
100人いれば100通りの人生があるものですね・・・
1つ印象深かったお話をご紹介しましょう。
私は高齢者の皆さんにインタビューする中で、
「死についてどう思いますか?」という質問をしました。
皆さんはどうお答えになるでしょうか?
今、生きているのだから、そんな話はあまりしたくない。
命があることだけを考えて生きたい。
大抵の人は死ぬことなんて考えたくもないですね。
実際、「縁起でもない話をしないで下さい」と怒られたこともありました。
「申し訳ございません」と謝りつつも、
それでもなお伺うと、ある方はこう言われたんです。
「私は死ぬ気がしないんです」と。
この時、御年95歳の方でした!!
(続きます)