心に響く 講演・セミナー集
国境なき親子の愛~その2~
アメリカ人のお母さんたちは、
「どうしたの?」というふうに、
身を乗り出して、話を聞こうとするんです。
そして、必ず「あなたは次にどうしたいの?」
「どういうふうにするのがいいと思うの?」と、
子どもの意見を聞きます。
そう聞かれた子どもは、
「僕はこういうふうにしたかった」
「私はこういうふうにやろうと思った」
「でもそれではうまくいかなかった」と答えます。
すると、お母さんは失敗することが分かっていても、
「もう一度、やってごらん」と言うんです。
子どもはもう一度やってみますが、
やはりできません。
子どもは「できない」と訴えるのですが、
ほとんどのアメリカ人のお母さんたちは、
「では、どうしたらいいと思うの?」
「考えてごらんなさい」と言います。
そして子どもはまた、じっと考えてみる。
「わかった!」と言いながら、またやってみる。
しかし、こちらも簡単に「わかった」と
言わせない課題を作っておりますので、
なかなかうまくできません。
そして、「ママどうしよう」と再び助けを求めてくるのですが、
そこでもお母さんは、
「いやいや、諦めないで」
「もう一回考えてごらんなさい」とうながします。
すると何度も試行錯誤をしているうちに、
子どもは母親に励まされて、ようやく解決策を見出します。
そして満面の笑みで「できたよ!」
と言うのです。
本当にそれが正解で、上手に出来ているんです。
そうすると母親は大喜びして、「よく頑張ったね」
「やっぱり諦めないでがんばっていい結果が出たね」
「良かったね、うれしいね」と、
ギューっと抱きしめてたくさんキスをします。
子どもは「次もまたやるよ!」
「がんばるよ!」と、
ますます張り切ります。
「何度、子どもが失敗しても見守るような、気長な親たちだな」
とお思いになりましたか?
でも、本当に時間がかかりました。
私たちがやれば5分で済むものが、
おおかた1時間くらいかかる。
お母さんたちは内心、
とてもイライラしていたでしょう。
手や口を出すのを我慢し続けるという、
親にとって忍耐の場面だと思います。
さて、一方で日本のお母さんはというと、また違ってくるのです。
一体、どう違うのでしょうか。
(続きます)