心に響く 講演・セミナー集

心に熱きともしびを~その1~

世の中には、
次の社会を担う若い方がいる一方で、
社会でバリバリと活躍されているミドル層の方、
そして人生の後半期を生きておられる先輩方と、
いろいろな世代の方がおられます。
では、今の世の中に、何が一番足りないか。
それは熱い心、情熱です。
皆、こころに炎を持って、
メラメラと燃えていたら、
それは自分以外の世代に必ず伝播します。
「あの人は若いけど頑張っているな」
「年齢を重ねても、まだまだ燃えていらっしゃるな」
「あー、あの人は魅力的だな」と皆が寄って来るのです。
それが次世代に何かを示す姿勢だと思います。
何かに燃えていないといけないのです。
講釈ばかり口にして、
「こうしなきゃだめ、
ああしなきゃだめ。
私たちの若いころはね・・・」
という話をよく聞くでしょう。
「私たちが若いころは・・・」という話が始まったら、
最後のおちは、
「今の若い子は駄目だね」と来るんです。
でも、本当に燃えている人が語れば、
その講釈は「教え」に聞こえてきます。

学生時代、クラブ活動にいた、
熱血漢の先生を思い出してください。
皆、一人や二人はお出会いされたでしょう。
私もソフトボールをしていましたけど、
今から思ったら顧問は無理をよく言う人でした。
全然理にかなっていません。
「お前たち、気合が足りない!
グラウンド10周走れ」と言って、
自分は怒りながら去っていくのです。
そして、20分くらいしたら戻ってくるのです。
帰ってきた時も眉間にしわを寄せて、
難しい顔で帰ってくるから、
皆、「怖いな」と思いながら走っていました。
学校を卒業して、
もう30代になり、
先生とお酒を酌み交わしていいような年になってから、
「先生、あの20分間は何をしていたのですか」
と聞いたら、

夏空

「あれか・・・、夏は暑かっただろう。
まず麦茶の一杯も飲んでから一服しないと」
と言っていました。
「20分といったら、
5周から10周走らせたらちょうどいい」と、
そんなぐあいです。
自分が休憩したいから、
私たちにグラウンドを走らせていたわけです。
でも、私たちは信じていたのです、
私たちのために叱ってくれているのだと。
なぜなら、その先生は、
常に燃えている方だったからです。
どれだけガツンと言われても、
熱血漢で熱い情熱を持った先生の言うことだから、
この先生について行けば間違いないと思っていました。
この先生はいつも情熱を持って、
私たちのことを見てくれているから、
言われたようにすれば上手くなる。
と信じていたのです。
だから無理難題でも、講釈でも、
燃えている人が語ってくれたら、
それは「教え」に聞こえるわけです。
燃えていない人が言うと、
ただ耳に入ってくる、
うるさい騒音でしかないのです。
そこが大きな違いなんです。
(続きます)



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