心に響く 講演・セミナー集
「お大切」を生きる〜その5〜
宣教師たちの苦心の結果、愛という概念は「お大切」と訳されました。
日本語に堪能じゃない人たちが、知恵を出し合って、
考えあぐねて生み出した言葉、お大切。
私には、かなりズシンと来る言葉です。
言い古されていない言葉だから、真に迫ってくる。
愛の本質を正面から見せられたような気がするんです。
目の前にいる人を、どれだけ大切に扱うか。
目の前で繰り広げられるできごとに、どれだけ心を込めて向き合うか。
人から大切なものを預かったら、皆さん困りませんか。
上にも下にも置かない扱いをするかもしれませんし、
現状維持は当たり前、預かる前よりも状態が悪くなったら悲劇ですね。
私たちは、たくさんの大切なものを預かっていますよ。
まず地球。現状維持はおろか、破壊傾向にありますね。
次世代も預かりものです。
自分のDNAの継承者だけが次世代ではありません。
文字通り、次の世代を担って生きる人々をみな、私たちは預かっているのです。
病気させたらどうしよう、ケガでもしたらどうしよう。
血を分けた我が子なら、だれでも心配します。
しかし、血の繋がりのない、人種も宗教も異なる次世代人たちに対して、
同じような「お大切」の心で接しているかどうか。
大切にするということは、全神経をそこに集中させて、
一生懸命に世話をするっていうことです。
その対象の成長を喜び、幸せを願い、静かに優しく背中を押すことです。
それが「お大切」を生きるっていうことです。
一人で始めれば途方もなく果てしのない旅に感じられるけれど、
皆で始めれば、まだ間に合うはず。
「お大切」を生きる練習は今日からでも始められますよ。
(了)