心に響く 講演・セミナー集
日常の忘れもの~その1~
私たちが暮らしている日々の生活は、
待たさないことがモットーになってきている。
だから、お店に並んで買うのが面倒になってくると、
通販は便利ですね。
あれは買う時には待たないですよ、配送は待ちますが。
それもわずか1日か2日。
注文した翌日には、希望のものが手に入るんですからね、大助かりです。
おまけに、留守の時は、配達日時の指定まで可能です。
待たせないサービスに慣れっこになっている現代社会。
本当に私たちは「待たない」生活を謳歌しています。
でも、少し振り返りますと、ひと昔前までは皆、待っていましたね。
車の運転、今はナビが案内してくれる。
かつては、地図とにらめっこです。
大体、ご夫婦2人で乗っていらっしゃると、
助手席の奥さまが地図を見て、ご主人が運転して、
数分後には、大抵けんかが始まる。
初めて行くところに、口げんかをしないでたどり着くことができたら。
奇跡ですね。
通常は、「もっと早く曲がれって言いなさい」って怒られるし、
「あなた、そんな偉そうに言うなら、自分で見たらどうなの!」
「運転しているんだから見れないよ!」
挙句の果てに、グルグル同じ道を行ったり来たり、
やっとこさ到着したら、待っていた人には笑顔で、「ごめんなさい、お待たせして」
今まで何事もなかったかのように、笑顔で・・・。
「待つ」という行為は、私たちの生活の基本の中にあったように思います。
旬の食べ物とは名ばかりで、「旬」という言葉は真実味を持っていない。
春には春の食べ物があり、
夏には夏の風物詩があり、
秋には秋の収穫があるのです。
しかし、今は待たなくていいんです。
いつでも、欲しいものが好きな時に手に入る生活です。
(続きます)