心に響く 講演・セミナー集
分かち合い、共に生きる〜その5〜
ですから、自分が独り占めにして、自己満足のためを目指して、
自分さえ良かったらという発想は、これっぽっちもないのです。
なぜ、人間塾で素晴らしい人材を作りたいのか。
世のため人のために生きる人材がいなくなればこの世は終わってしまうからです。
世のため人のために生き、人々が喜び、それが自分の喜びになる。
私は、「自分さえ良かったらいい」という考え方を徹底的に排除したいのです。
逆説的な表現ではありますが、端的にいえば次のようなことです。
出世しなさい、お金持ちになりなさい、自分の能力を磨きなさい、
それらをどんどん使いなさい、人から認めてもらいなさい。
でも、なぜ?
それは、世の中を本当の意味でいい社会にするためには、良い人材が必要だからです。
もしあなたが、世界を良い場所にしたいと思うならば、
その中心になって生きたいと思うならば、
それ相応の覚悟を持って生きよ、ってことです。
多く持つものは、多くを分かち合うことができます。
豊かな思いに溢れている者は、豊かさを人に与えることに抵抗を感じません。
若者たちよ、君たちはそれができる人たちなんだ!
それを常に言い続けていると、自信がなかった学生たちも、だんだんと変わっていきます。
下を向きがちだった若者が、顔を上にあげるようになる。
ああ、僕にも私にも、少しはできることがあるかもしれない。
そんな気持ちになっていくのです。
私から、彼らに差し出せる愛情は、そういう形での愛です。
厳しい言葉を浴びせることもありますが、
腹の底から湧き上がってくる彼らへの愛で私の心は貫かれていると思っています。
(了)