心に響く 講演・セミナー集
分かち合い、共に生きる〜その2〜
一見、とても子ども向けの言葉に響きますが、私はいい言葉だと思うのです。
この言葉が伝えようとしていることは、今の社会で忘れられつつあることです。
ですから、人間塾の学生たちには、いつも私はこう言います。
「望む会社に就職して出世しなさい」って言うんです。
「そのためには、大学で一生懸命に勉強して、トップクラスを目指しなさい」と。
「自分の望むところ、自分の能力が本当に使えるところに就職して、出世しろ」と言うわけです。
そして、下世話な言い方ですが、「たくさんお給料をもらいなさい」とも言います。
そう言われると、学生たちはキョトンとしています。
そして聞くのです、「塾長ってもっと人間の中身を言ってたんじゃないんですか?」と。
「勉強や業績だけじゃない、もっと心が大切だと言ってたじゃないですか」
「給料をたくさんもらうかどうかは、その人の価値とは何の関係もないって言ったじゃないですか?」
「そんなことを言うとは驚きです」と、訴えてきます。
私は、こう答えるんです。
「あなたたちが、いい成績を取る。それは素晴らしいことです。
一流企業に入って、人を蹴落としてでも出世する。そんな時もあるでしょう。
必死に働いて、上司にも認められて、たくさんお給料をもらう。
それも悪いこととは思いません。」
続けて私は言います。
「でも、自分のためだけにそれらのことをするのなら、全く無意味なこと。」
(続きます)