だから、自分の中で否定したくなる部分が多ければ多いほど、コンプレックスの固まりは大きくなる。
大事にしまっておけばおくほど、溜め込めば溜め込むほど、心は苦しくなってきます。
でも、「もう仕方ない」と、開き直った時、
「これも、私。それ以外にない」と諦めた時に、
様々な過去の経験が全部、私の血肉になっていることに気付くのです。
嫌だったけど、でも、あれを通って今の私がいる。
でも、その分、あんなに楽しいこと、あんなに素晴らしいことを味わえた。
あの時もがいていた私、うずくまっていた私、傷だらけでもある生き続けた私。
あれも、これも、この私。
だから、私たちが今まで生きてきた、すべての善きことも悪しきことも、すべてひっくるめて、いとおしく感じられるかどうか。
すべてが自分の人生の一部であると思えるかどうか。
すなわち、自分の長所も欠点も受容できるかどうかというのが、コンプレックスを克服する、唯一の道なのです。

（了）