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セミナー

【レポート】人間塾2017年度第11回ヤングセミナー

2017年10月19日

人間塾 第6期生 落合悠人
(東京大学4年)

去る10月12日に第11回ヤングセミナーが行われました。

塾長はボスニア・ヘルツェゴビナのモスタルという町を訪れたときのお話からセミナーを始められました。

ボスニア・ヘルツェゴビナはユーゴスラビアから独立した国の一つで、同じくユーゴスラビアを形成していたセルビアとクロアチアの間に位置しています。ボスニア・ヘルツェゴビナは、ボシュニャク人が人口の約半分を占め、彼らの多くはイスラム教徒です。また37%くらいがセルビア人でセルビア正教を信仰し、クロアチア人は約14%でカトリック教徒です。クロアチアが旧ユーゴスラビアから独立する際、セルビア人を迫害したためセルビアとの間に紛争が起こりました。その後、ボスニア・ヘルツェゴビナも独立を目指しましたが、この地も激しい戦場となりました。ボスニア・ヘルツェゴビナの特に国境近くの地域には、今でも対人地雷が撤去されずに残っており、塾長が訪れたときにも町はまだ完全復旧には程遠かったそうです。

人間塾2017年度ヤングセミナー:堂々と答えます

堂々と答えます

そのような町並みを通り、塾長はあるモスクを訪ねました。17世紀初めに建立されたコスキ・メフメド・パシャ・モスクです。モスクの壁の石板には、このモスクが紛争で破壊され、東京在住のイスラム教徒の支援によって再建されたという一文が刻まれていたそうです。モスクはイスラム教徒の心の拠り所です。それを破壊されたモスタルの人々の気持ちは、察するに余りあります。その時に東京のイスラム教徒たちは出会ったこともないこの人たちのために、迷わず大きな支援を行ったのです。困っている人がいるときに見返りを求めず手を差し伸べる。これが、人と人との助け合いのあるべき姿なのだと思いました。

モスクからの帰り道、「忘れてはいけない。しかし、永遠に許そう」と書かれたパネルがモスタルの街の中心に設置されていたそうです。紛争によって家族を奪われ、心の拠り所であるモスクを壊されたにも関わらず、彼らはそれを許すと表明しているのです。

私たちはついつい自分の周りの狭い世界で起きたことばかりに目が向いてしまいます。なにかうまくいかない事があると、不満を漏らしてしまいがちです。しかし、私たちの知らないところで紛争が起こっていること、人々が許しあっていることを知らなくてはいけません。家族とともに暮らし、不自由なく日々学ぶことができている日常の幸せを改めて感じるとともに、人を許すことができる人間になれるよう心掛けなければならないと思いました。

セミナーの後半では「一つの現象を、一つの現象で終わらせてはいけない」という話を塾長がされました。「社会を批判的な目で見なさい」と塾長はおっしゃいました。世の中の一つ一つの現象は見えないところでつながりがある場合があります。それを見極めるために批判的な目をもって、政治や国際情勢を見なければなりません。人は自分に責任があるときは全力を尽くしますが、自らの責任や使命を感じていないと、全力を発揮しない傾向にあるそうです。これを心理学では、「社会的手抜き」と呼ぶそうです。世の中の一人ひとりが社会に責任をもち、社会的手抜きをせずに全力を尽くせば、世の中は必ず良い方向に変わっていくはずです。現在学生の私たちも、今回の衆議院議員選挙では投票という形で政治に参加し、社会の一員としての責任を果たさなければなりません。世の中を良くしていくために何をすべきか日々考え、「自分事」として世の中の出来事に目を向けなければと思うセミナーでした。

人間塾2017年度ヤングセミナー:掲示板での談笑

掲示板での談笑