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セミナー

【レポート】人間塾2016年度第19回ヤングセミナー

2017年2月20日

人間塾 第4期生 遠藤若奈
(東京農業大学3年)

去る2月9日、雪がちらつくほどの寒い1日でしたが、久しぶりに全塾生が揃い第19回目のセミナーが開催されました。人間塾に到着すると、壺井さんがココアを用意してくださっており、塾生はみんな冷えた体を温めてからセミナーに臨むことが出来ました。改めて、人間塾は暖かい場所だなと感じた瞬間でした。

人間塾2016年度ヤングセミナー:まさに集いの部屋!

まさに集いの部屋!

今回のセミナーの切り口となった人物は緒方洪庵です。緒方洪庵といえば、江戸時代後期に医師、蘭学者として活躍した人物であり、彼が28歳の頃大阪に開いた「適塾」で塾長を務め、大村益次郎や佐野常民、福沢諭吉など幕末から明治維新にかけて活躍した人物を多く輩出しています。

緒方洪庵が「医者になりたい」と言い出した時、彼は両親に猛反対されたそうです。なぜなら当時、士農工商という身分制度がある中、医師という職業は一旗揚げようとした人々が生活の困窮から脱するために就く職業であったからです。武士の家に生まれた洪庵にとって、自らの身分を捨てることを意味したのです。

しかし洪庵は、身分に囚われることや、自分さえ良ければという感情を超えたものに突き動かされていました。多くの私塾で学びながら猛勉強し、オランダ語にも堪能で、蘭学を極めつつ、優秀な医師になっていきました。そして、その後に開いた適塾において、「人間とは何なのか?生きるとは何なのか?」ということを門下生に説いていくことになったのです。

塾長はそんな洪庵の生き方に魅力を感じ、彼の生き方から感じること、この現代社会に生きる私たちに求められていることについて、お話ししてくださいました。

人間塾2016年度ヤングセミナー:真剣な表情

真剣な表情

洪庵が残した言葉の中で「医者はとびっきりの親切心を持った人しかしてはいけない仕事だ」というものがあり、塾長はこの言葉がお好きだそうです。この言葉をじっくり考えてみると、私たちは「どの職業に就くとしても、とびっきりの親切心をもって働かなければならない」ということに気付かされます。営業であってもサービス業であっても、製造業や運搬、または芸術家であっても、その仕事をすることで誰かに何らかの価値を与えたり、その人の心を動かしたり、あるいは幸せな気持ちを感じさせることが出来ます。この言葉は、現在就職活動で頭を悩ませている私にとって、自分は将来どんな形でも人を大切にする柔軟な心があれば社会に貢献することができる、と勇気を与えてくれました。

そしてさらに、親切心とは何であるのか、単に優しくすることなのか?という疑問も投げかけられました。私は「親切心=相手を想うこと」であると感じました。塾長は優しくすること、励ますことももちろん親切であり、厳しくすること、叱ることもそれが相手を想っての行動であれば同時に親切であるとおっしゃいました。私も全くその通りだと強く共感しました。

人間塾2016年度ヤングセミナー:思いを言葉に

思いを言葉に

また、心から何とかしてあげたいと思う人に出会ったとき、自分なりに試行錯誤をして相手に何をしてあげられるのかを考え行動することが大切であるとも思いました。しかしその一方で、相手にとって重要なこと、価値のあるものは何なのかをしっかり受け止めて、独りよがりな親切にならないようにすることにも注意を向けなければならないと感じました。

自分がとびっきりの親切心を持ったところで、変わらないこともたくさんあると思います。しかし、他者からのとびっきりの親切心によって、今の自分が「まぎれもない私」として存在出来ていることには感謝しかありません。社会全体に「ありがとう」の気持ちをもって、自分にできる最大限を常に誰かに与え続ける人になろうと感じたセミナーでした。